会長挨拶


 日本人の平均寿命は1999年の調べで男性77.2歳、女性84.0歳、そして100歳以上の人は全国で11,346人です。我々が成蹊大学を卒業した1960年代の半ばでは100歳以上は150名程度だったそうですから、30数年の間に実に75倍にも増えたことになり、このスピードは世界に例がありません。もはや、我が国は押しも押されぬ世界屈指の長寿国になりました。
 80年を越す長い人生が当たり前になった時代に余暇の充実は欠かせませんが、「趣味を持った潤いのある暮らしとは?」という課題が今、私たちに問いかけられています。
 そんな中、今回成蹊大学軽音楽部OB会の設立が呼びかけられ、多くの人たちの共感を集めたことはこのような時代状況と無縁ではないと思います。そして、これまで仕事や子育て中心に組み立てられてきた生活パターンをなかなか変えられずにいる私たちはこの「ビンテージ・イヤーズ」から豊かで潤いのある暮らしという答えを見つけ出すことができるかもしれません。
 音楽に親しみ、創造する喜びを共に楽しむ集いの場が”生きた余暇”を実現させてくれるでしょう。

 こう申し上げてくると、この会は「年寄りのグループか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、言うまでもありません。私たちは今後、この会に若いOB諸氏の加入を得ながら、世代を超えた活力のある仲間の輪を更に広げていきたいと思っています。
 そして、私たちの活動が成蹊大学、成蹊会のために少しでも貢献できることを願うものです。

             会長 有馬 大造(1965年卒、Major6)